それをしなかったというのは、かれの奇怪な想念に対する、当然の不信のあらわれだと、当時ぼくは思っていた。それ…

それをしなかったというのは、かれの奇怪な想念に対する、当然の不信のあらわれだと、当時ぼくは思っていた。それがじつは不安のあらわれだったのである。なぜなら、デミアンだったら、両親の要求した以上のこと――はるかに多くのことを、ぼくに要求したことだろうし、はげましといましめ、あざけりと皮肉でもって、ぼくをもっと自主的な人間にしようと、こころみたことだろう。ああ、きょうぼくにはわかっている――人間にとって、かれ自身のところへゆく道を歩くほど、いやなことは世のなかにないのだ。
ヘルマン ヘッセ

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