晴信は、なつかしそうに、その扇を開いた。風林火山の四字と、晴信の署名があった。以前おここが扇子になにか書い…

晴信は、なつかしそうに、その扇を開いた。風林火山の四字と、晴信の署名があった。以前おここが扇子になにか書いてくれと晴信にいったことがあった。よし歌を書いてやろうと晴信がいうと、おここは歌よりも、風林火山の四文字を書いてくれと所望した。特に理由はなかった。おここは晴信が風林火山の四文字を好きなことをよく知っていたのである。
晴信の眼がその四文字に吸い寄せられた。
「そうだ風のごとく敵を襲うのだ」
晴信は馬にまたがっていった。それは亡きおここの啓示だと思った。
新田 次郎

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